「環境保全の本質を考える」―mecc総会 第一部:丸山康司氏講演会

 みなと環境にやさしい事業者会議(mecc)の平成23 年度の総会が6月7日(火)午後に開催され、会場となったエコプラザには80 名を超える会員事業者が集いました。
 
 会の冒頭には、忙しいスケジュールの合間を縫って港区の武井雅昭区長が登場。区の環境施策を力強くアピールするとともに、区政への協力を事業者に呼びかけました。

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 会長のあいさつに続き、総会の第一部では名古屋大学準教授の丸山康司さんを講師に迎え、「柔らかい環境保全」と題した講演を行ないました。
 環境問題の難しさとして、関わる人やモノが広く薄く拡がることの「複雑性」、因果関係の証明や未来予測の難しさといった「不確実性」、問題発生後には対処できない「不可逆性」の三要素を挙げ、具体的な事例も紹介しながら「性質上、すっきりした『合理的』な解決は難しい」ことを解説。「環境保全を目的とするだけでなく、別の目的のために整えられた社会システムが機能した結果として、環境が保全されることが大切」と話しました。

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 さらに、自らが発電所長をつとめる市民出資型の風力発電の事例を取り上げ、発電が地域に利益を生み出すとともに、見学者の増加など多様な波及効果をもたらしていることを紹介。楽しく問題解決を図るために知恵を絞り、人々の行動を促す仕組みづくりの重要性を訴えました。

 CSR 活動にも示唆に富む、環境保全の本質を考える貴重な時間となりました。

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(レポート:松田慶子)