6月29日、港区立エコプラザを会場に「カーボン・オフセットの基本の『き』」を学ぶセミナーを開催しました。講師は、カーボン・オフセット推進ネットワーク(CO-Net)事務局の小野さやかさんです。
この日は約40名の会員事業者のみなさんがセミナー参加されました。
講義時間は3時間。かなりの長丁場となりましたが、京都議定書の解説にはじまり、カーボン・オフセットの基本的な考え方から企業の取り組み事例、制度の紹介にいたるまで、じっくり丁寧にお話をしていただきました。
今回のセミナーのなかで、印象的なトピックスがいくつかありました。ひとつは、オフセットに使う炭素クレジット(=排出権)の選び方に関する話題です。
ご承知のかたも多いと思いますが、カーボン・オフセットに使うクレジット(=排出権)には様々な種類があります。
代表的なのは、京都クレジットといわれる「CER」。これは発展途上国におけるプロジェクトから生まれるクレジットです。また、環境省が創設した制度により、国内の森林整備などから生まれる「オフセット・クレジット(J-VER)」というものもあります。meccでは、このJ-VERのクレジットを100トン取得しています。
これらのクレジットはそれぞれ価格が異なりますが、では価格が安ければいいかというとそれだけではないようです。海外のプロジェクトを応援したいのか、国内の森林整備を応援したいのか。企業の取り組みの内容や性格により、クレジットの選び方が変わってきます。
例えば、ANAは日本の森林を再生することを目的に、北海道の間伐材促進により発生するJ-VERクレジットでオフセットを行なっているとのこと。また清水エスパルスは、ブラジルの選手がいることから、ブラジルの小水力発電プロジェクトから生まれるCERを取得しているのだそうです。
どういうストーリーでオフセットに取り組むかが重要といえそうですね。
また、今回のセミナーでは、イベントでのカーボンオフセットの実践方法が詳しく紹介されました。イベントの企画から、実施時の留意点、終了後の手続きまでをひとつひとつ解説いただき、とてもわかりやすいセミナーとなりました。
カーボン・オフセットセミナーは、今後も連続講座として開催してまいります。
次回は、イベントで実際にオフセットに取り組んだ港区の事例をケーススタディとして取り上げ、具体的なプロセスを検証してまいります。イベントでのオフセットは、多くの人々に対して啓発できる機会であるとともに、1回ごとに完結できるため、最初の一歩としては取り組みやすい機会といえます。
ぜひ、次回のセミナーにもご参加ください。