商業施設やオフィスが集積する汐留は、東京の観光名所のひとつとして定着しています。
江戸時代に埋立地として開発され、明治以降は国鉄・新橋駅として栄えた汐留は、2004 年頃に高層ビルが林立する場所へと変貌を遂げました。今では都会的で洗練された街として人気を集める汐留ですが、一方では高層ビル群が潮風を阻み、東京におけるヒートアイランド現象の要因のひとつとも言われています。
この不名誉を挽回すべく、2011 年夏、汐留を舞台とする打ち水大作戦が初めて遂行されました。8月1 日に実施された、みなと環境にやさしい事業者会議(mecc)主催による「カレッタ汐留打ち水大作戦」です。
今回、中心的な役割を果たしたのは、mecc の新会員である株式会社電通です。社内はもとより、汐留にオフィスを構える企業にも参加を呼びかけました。
打ち水開始の正午近くになると、ワイシャツ姿の人たちがオフィスから続々と参加。さらには近隣の保育園の児童や浴衣姿の女性も駆けつけ、会場は賑々しい雰囲気となりました。
それぞれの手に木桶を持ち、恒例のカウントダウン。「10、9、8、7…」の声に続いて豪快に水がまかれると、たちまちフワリと風が起こりました。
「涼しい~!」と感激の声があちらこちらからあがります。
この日、汐留から風が起きました。
汐留から起きた風は、東京を吹き抜けたことでしょう。